虫歯治療

実質欠損を生じた虫歯に対しては、ミニマルインターベンション（MI）の概念に基づき、選択的に悪くなってしまった部分だけを削除し健康な歯質はなるべく残す、最小限の侵襲による虫歯治療を実践いたします。
→ミニマルインターベンション（MI）とは

拡大鏡（歯科用ルーペ）を活用し、拡大視野のもとで処置を行うとともに、う蝕検知液を用いて虫歯の部分を確実に除去した後に修復します。

虫歯治療の際は、事前にエックス線写真撮影（レントゲン撮影）を行い、虫歯の範囲を診査します。範囲・深さによって、必要に応じて浸潤麻酔を行います。

虫歯の大きさ・範囲によって修復法が異なります

・CO（実質欠損を生じていない初期虫歯）
歯面清掃を行った後に、フッ化物やCPP-ACP等を塗布し再石灰化を促進し、経過観察とします。

CO（初期虫歯）の特徴

初期虫歯の場合には、エナメル質表層10～20㎛は石灰化度が高く、その下部50～100㎛に脱灰が進行する（表層下脱灰）ため　に、肉眼的にはエナメル質表面では不透明な白斑として見えることが多く、奥歯の溝の部分では褐色の着色を示します。

治療としては、再石灰化により治癒する可能性があるため、一般的に削る必要はなく、フッ化物や再石灰化を促進するペースト等を塗布し、経過観察とします。

・C1（エナメル質に限局した虫歯）
・C2（象牙質に達する虫歯）
虫歯を除去した後に、コンポジットレジン、インレー、アンレーあるいはクラウンにより修復します。

修復する範囲や大きさ、使用する材料によっては自費治療となります。

・C3（神経に達する虫歯）
虫歯を除去した後に、神経を取る処置（根管治療）が必要です。根管治療が完了次第、コンポジットレジン、インレー、アンレーあるいはクラウンにより修復します。

修復する範囲や大きさ、使用する材料によっては自費治療となります。

・C4（歯根に達する虫歯）
残念ながら抜歯となります。
抜歯した箇所が治癒次第、ブリッジ、義歯あるいはインプラントによる補綴処置が必要です。

ブリッジ・義歯は使用材料によって、またインプラント治療は自費治療となります。
インプラント治療は当院では行っておりませんので、専門機関をご紹介します。

治療例　※このような治療結果を保証するものではありません。

コンポジットレジン修復（前歯部）

治療内容	上顎左側中切歯隣接面のう蝕に対し、浸潤麻酔下にてう蝕病巣を除去し、コンポジットレジン（健康保険適用材料）にて修復を行った。
治療回数	1回
治療費用	1歯当たり約1,500円（健康保険適用）

リスク・副作用等	う蝕の深さや症状によっては、コンポジットレジンによる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。長期的にみて、変色やギャップ・辺縁の破折等が発生することがある。

コンポジットレジン修復（臼歯部）

治療内容	下顎左側第一大臼歯に装着されていた金属修復物辺縁にう蝕を認めたため、浸潤麻酔下にて金属修復物およびう蝕病巣を除去し、コンポジットレジン（健康保険適用外材料）にて直接修復した。
治療回数	1回
治療費用	1歯あたり22,000円（税込み、健康保険適用外の自費治療） ※健康保険適用外材料を用いたため

リスク・副作用等	う蝕の深さや症状、咬合関係によってはコンポジットレジンによる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。長期的にみて、変色や咬耗、ギャップ・辺縁の破折等が発生することがある。歯ぎしり・食いしばりのある方は、破損するリスクが高いためマウスピースの作製が必要となることがある。

リスク・副作用等

う蝕の深さや症状、咬合関係によってはコンポジットレジンによる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。
歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。
長期的にみて、変色や咬耗、ギャップ・辺縁の破折等が発生することがある。
歯ぎしり・食いしばりのある方は、破損するリスクが高いためマウスピースの作製が必要となることがある。

セラミックインレー修復

治療内容	上顎右側第一大臼歯に装着されていた金属修復物辺縁にう蝕を認めたため、浸潤麻酔下にて金属修復物およびう蝕病巣を除去し、裏層処置を行ったうえで窩洞形成を行った。その後、印象採得を行い、完成したセラミックインレーをレジンセメントを用いて装着した。
治療回数	2回
治療費用	1歯あたり71,500円（税込み、健康保険適用外の自費治療）

リスク・副作用等	う蝕の深さや症状、咬合関係によってはセラミックよる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。金属等の修復物に比較して歯質の削除量が多いため、しみるような痛みが発生する可能性がある。歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。長期的にみて、咬耗やギャップの形成、破折等が発生することがある。歯ぎしり・食いしばりのある方は、破損するリスクが高いためマウスピースの作製が必要となることがある。

リスク・副作用等

う蝕の深さや症状、咬合関係によってはセラミックよる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。
金属等の修復物に比較して歯質の削除量が多いため、しみるような痛みが発生する可能性がある。
歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。
長期的にみて、咬耗やギャップの形成、破折等が発生することがある。
歯ぎしり・食いしばりのある方は、破損するリスクが高いためマウスピースの作製が必要となることがある。

セラミックアンレー修復

治療内容	下顎右側第一大臼歯に充填されていたコンポジットレジン辺縁および近心隣接面にう蝕を認めたため、浸潤麻酔下にて修復物およびう蝕病巣を除去し、裏層処置を行ったうえで窩洞形成を行った。その後、印象採得を行い、完成したセラミックアンレーをレジンセメントを用いて装着した。
治療回数	2回
治療費用	1歯あたり71,500円（税込み、健康保険適用外の自費治療）

リスク・副作用等	う蝕の深さや症状、咬合関係によってはセラミックよる修復が不可能であったり、神経の処置（根管治療）が必要となる場合がある。金属等の修復物に比較して歯質の削除量が多いため、しみるような痛みが発生する可能性がある。歯質の色調や状態によって、修復物の色調が適合しない場合がある。長期的にみて、咬耗やギャップの形成、破折等が発生することがある。歯ぎしり・食いしばりのある方は、破損するリスクが高いためマウスピースの作製が必要となることがある。

リスク・副作用等