歯ぎしり・食いしばりの治療
歯ぎしり・食いしばりによって歯に過度に力がかかると、歯がすり減ってしまうのはもちろん、歯自体が破折してしまったり、被せものがはずれてしまったり、歯周病が悪化してしまったり、顎関節が痛くなったり頭痛がしたりと様々な影響が出ると言われています。
とくに歯が破折してしまうと、抜歯が必要となってしまう事が多いため、早めの対策が必要です。
- <歯ぎしりのある方の口腔内の一例>
歯がすり減っており、修復物と歯質との間の段差もみられ、歯の根もとも削れており知覚過敏症状が発生している状態。咬合痛と起床時に歯が浮いている感覚があるとのこと。
歯槽骨の骨隆起も認められ、歯の表面にはうっすらと亀裂も入っている。
歯ぎしり・食いしばりの原因は、
- ストレス
- 習慣・職業によるもの
スポーツ中の食いしばり、運送業など瞬発的に力を発揮する場合 - 子どもに特有の場合
永久歯と乳歯の交換時期にみられる一時的なもの
などが挙げられますが、大多数がストレスによるものです。
歯ぎしり・食いしばりをやめることができれば一番理想的ですが、習慣化してしまっているのでこれはほぼ不可能です。したがって、これらの力から歯を保護するという対策が必要です。
一般的には、型取りをしてナイトガード(マウスピース)を作製し、これを装着することで症状を緩和し、歯や顎に対するダメージを軽減します。
健康保険が適用となり2,500~5,000円程度で作製が可能です(作製方法やタイプによって費用が異なります)。
歯ぎしり・食いしばりにお困りの方はぜひご相談ください。
<口腔内装置の一例>
- ナイトガード・ソフトタイプ(3㎜)
- ナイトガード・ハードタイプ(1㎜)
ナイトガード(マウスピース)使用時の注意点
- 歯を十分にブラッシングしてから装着してください。
- 装着中には飲食等はしないでください。
- 使用後は、歯ブラシを用いて磨いてください。専用の洗浄剤を使用するとより効果的に汚れが落ちます。
- 十分に水洗し、水気をきり、専用ケースにいれて保管してください。
- ペーパー等で拭き取ったりはせずに自然乾燥で結構です。
- 熱に弱いので、熱湯に漬けないでください。
- 変形の原因になります。
- ソフトタイプのナイトガードは、吸水性がありますので、水中保管はせずに乾燥状態で保管してください。
- 変形・変色の原因になります。
- 口腔内も水分がありますので、使用期間が長くなるにつれ変形し、適合性が低下します。耐久性は2~3年程度と言われています。
- 歯ぎしり・食いしばりが激しい場合は、穴があいたり、破損することがあります。この場合は効果がなくなりますので、作りかえる必要があります。
- 破損していなくても、変色や咬耗、適合性の低下がみられる場合には、作りかえることができます。ご相談ください。
<マウスピース洗浄剤>(※当院受付で販売しているもの)
- [ソフト・ハード兼用]
ポリデントフレッシュクレンズ
(泡タイプ) - [ハードタイプのみ使用可]
トクヤマリベースクリーナー
(錠剤タイプ)
顎関節症について
顎関節症とは、顎関節や顎の筋肉になんらかの異常が起こり、「あごが痛む」「口があきにくい」「あごを動かすと音が鳴る」などの症状が現れる病気です。
具体的には、顎関節の障害(関節円板の転位、関節突起の変形など)や咀嚼筋の炎症等が発生することにより、顎関節自体の痛み(開閉口時の疼痛、最大開口時の疼痛)や、顎関節周囲の咀嚼筋の圧痛、開閉口時の関節雑音(クリック音)、開口障害、片頭痛などの症状が現れます。咀嚼筋の緊張が強い場合、顔貌に左右差(顔の歪み)が出る場合もあります。
- <顎関節の構造>
- <顎関節周囲の筋肉>
顎関節症の方の多くは、習慣的に“歯ぎしり・食いしばり“をしている場合が多く、これにより顎関節や筋肉に負担をかけてしまい、顎関節の動きが悪くなることが原因として多くを占めます。また、偏咀嚼(片方の側でばかり咬む)などの生活習慣も関連していることもあります。
治療法としては、歯ぎしり・食いしばりに対する対策(マウスピース作製)や開口訓練、筋肉のストレッチなどがあげられます。
顎関節・筋肉の障害が強く、あごが全く開かない場合や特別な治療が必要と判断した場合には専門機関をご紹介させていただきます。
歯の破折について
歯を失う原因の約1割は歯根破折と言われています。とくに神経を取ってある歯は、歯自体の機械的性質が脆くなってしまうために歯が折れてしまうリスクが高いとされています。
歯根破折の一例



歯の破折の主な原因は、過度な咬合力(歯ぎしり・食いしばり)です。また、神経を取る治療をした歯の場合は、金属製のコア(土台)が太く長い場合は破折する危険性が高くなると言われています。
神経が残っている歯が破折した場合には、しみたり、ズキズキ痛みを感じたりすることがありますが、神経を取ってある歯が破折した場合には、初期には症状が出ないことが多く、その後歯ぐきが腫れてきたり、咬むと痛いという症状が出てくることが多いです。
治療法としては、残念ながら抜歯となってしまうことがほとんどですが、状態・症状によっては、保存を試みること(口腔内接着法、意図的再植法)も可能な場合があります。ただ、保存ができたとしても、その後の再発の可能性が高く、予後が悪いです。
歯の破折を予防するには、歯ぎしり・食いしばりのある方はマウスピース(ナイトガード)を作製して歯への負担を軽減する、咬み合わせのバランスが良くなければ調整を行う、不良補綴物があればやりかえる、などを行います。
診療時間 | |||||||
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休診日:火曜日・祝祭日 | |||||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
9:00~12:30 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
14:00~17:30 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
- 学会や大学への出張により、休診とさせていただく場合があります。
- 当院は予約制となっておりますので、緊急の場合を除き、事前にご連絡いただきますようお願い致します。
- ご予約に関するお問い合わせはお電話にてお願い致します。

046-875-4181
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