ポビドンヨード配合うがい薬について
2020.8.10
先日の大阪府の吉村知事による「ポビドンヨードによるうがいで新型コロナウイルス感染症の治療効果が期待できる」という発表で、店頭やネット通販でもポビドンヨードを配合したうがい薬やのどスプレーが姿を消し、手に入らなくなっています。
確かに、ポビドンヨードが接触した部分のウイルスは不活化されるとされていますから、のどや唾液中のウイルスが減少することは容易に想像できますが、体全体のウイルスを不活化する効果はなく、さらにあくまで一時的なものにすぎません。
ポビドンヨードはウイルスだけではなく、細菌を殺菌する効果もありますが、本来粘膜の表面に存在すべき細菌をも殺菌してしまったり、殺菌効果が強いことから粘膜表面を傷つけてしまい、逆に風邪やインフルエンザにも罹患しやすくなってしまうという研究報告もあります。
また、僕は大学在籍時に「酸蝕歯」の研究を行っていましたが、ポビドンヨードうがい薬を製造者指示通りに希釈し計測したところ、溶液のpHは2前後(強酸性)であり、これが歯の表面に付着すると、歯の表面が脱灰(=溶ける)してしまい、さらに特有の茶色い着色をしてしまうことがわかりました。
僕や周りの先生方が日々診療している中で、高齢の方で口腔内の状態が「歯が薄くなっていて知覚過敏の症状を伴っているとともに茶色く変色した歯が多い」という所見の患者さんが多かったので、問診をしてみると共通してポビドンヨード配合のうがい薬で毎日数回うがいしているということだったので、実験をしてみたところ上記の知見を得たものです。
これは盲点でした。まさか日々使用するうがい薬がこれほどpHが低いとは。pH2ということは歯が溶けやすいことで有名な「コーラ」と同等ですから、歯が溶けるはずです。のどの粘膜だけに作用すればいいのでしょうが、うがいをするうえで溶液が歯に接触してしまうのを防ぐのは難しいでしょう。
したがって、ポビドンヨードうがい薬で継続的にうがいすることで人工的に歯を溶かしてしまうリスクが高く、新型コロナウイルス感染症の治療効果も定かではありませんので、僕個人としては、ポビドンヨードうがい薬での継続的なうがいは控えていただきたいと考えております。
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